日本ピュアソニック株式会社

近日のあれこれ2008年12月27日

今年(西暦2008、平成20)もいよいよ終わりになりました。ゆく年くる年ということで、終わりよければ万事よしという日本古来の思い・・・今般はそういうわけにはいかないようですね。「未曾有の・・・とにかく大変な事態・・・」が連日飛び交い、自動車メーカーの派遣社員切りの報道もニュースや新聞の枕詞になっています。こんな事態になったのは、そもそもの北米による「サブプライム問題」ということで、不良債権化したクレジットを束ねた上で、また更に債券化して国外にうっぱらったことが問題化してから、金融業界での疑心暗鬼を生み、いわゆる「クレジットクランチ:お国の経済や金融状態に対する信用収縮」に至ったことが、実体経済に深刻な影響が及んでしまったことの抽象的、又は文学的表現として50年あるいは100年に一度の「未曾有・・・」(mizouyuuと言った人もいますが)の事態と定義づけているようです。

そんな事態が表面化しだしたのは9月頃からでありまして、10月には問題が私達にも実感出来る状況になり、そして12月始めのSEMICON JAPAN2008を迎えました。さてそのセミコンショーの出展企業や来場者のデーターはSEMIのウエブに出ていますが、次のようになります。

● 開催規模: 2008年12月3日(水)-5日(金)10:00-17:00 会場:幕張メッセ 1-11ホール、イベントホール

2008年 2007年
出展社数(社団体) 1,477(含共同出展社) 1,548
出展小間数(小間) 4,450 4,602
出展国数(国地域) 22 22
来場者数(人)(展示会来場者+セミナー受講者) 53,825(実来場者数) 65,452

●テーマ:「INFINITE POSSIBILITIES」 (世界を繋ぐ。地球を守る。未来を創る。)

また悪いことに、国内上半期(2008年9月まで)の半導体産業分野の決算状況が発表されまして、デバイスメーカー13社の売り上げが前年対比で約-10%、通期見通しで同比約-10%、そして半導体製造装置に関しては更に深刻のようで、スポット情報として、2008年9月の前年同月比で受注額が-40.5%(前工程関連装置-37.6%、組立関連装置-76.2%、テスタ関連-57.6%)と報じられました。海外の状況について巷の噂では、台湾は-50%以上でパニックになりそうとのことです。

このような状況が2009年通期に及ぶ恐れがあるという噂もあり、業界の再編が急ピッチで進むだろうといわれていまして、FPD業界も例外ではないという怖いお話しが会場で蔓延していました。

なんだか暗いお話しになってしまいましたが、現実はしっかり見ておきましょうね。 さて、肝心の半導体技術に関する話題から、昨今技術的なテーマになっている項目を抜き出してみますと次のようになるでしょう。

  • EES → Fab level → Tool level → Module level
  • Low-k → Materials, Porous Structure, Process(CVD, CMP)
  • High-k → Materials, Process (ALD/AVD, Etch)
  • Lithography → Resists/Ashing, Stepper(ArF-Immersion/EUV)
  • Doping → Ion-Implantation(θ-Cont, Current-H/M/L), Annealing(RTP)

なんでヨコモジ(横文字と書くと読めない人がいるそうなので)ばっかりなの?というむきもおられると思いますが、半導体分野では困ったことにこのような習慣がごく当たり前でして、お勉強をしていないとどんどんおいてけぼり(置いてけぼり)になります。

もし、このような分野専門の手引書が欲しい人がいましたら次の本をお薦めいたします。
■ 「図解 半導体用語集」

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・ サイズ:A5 版(A4の半分)
・ 148ページ(表紙、目次、索引を除く)
・ 解説用語数 274
・ 発刊 2008年10月1日 第二版
・ 価格 \1,500(税込、送料別)
・ 発行 サクセスインターナショナル(株)

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このホームページを見て欲しくなった人は、日本ピュアソニック社にもお願いしてね。


半導体技術や産業分野に精通されている方なら、ここのところず~っと気になっている450mmテーマがあると思います。世界のメガファブスタイルデバイスメーカーの事業方針と言っていいかもしれないこのテーマに対して「装置関連の開発費をどうすんの?」、「どんだけの装置が売れるの?」とか「装置屋さんが限られるんじゃないの?」といったあんばいで腰が引けたお話しが続いていますが、この急激な景気減速のせいか「装置を買ってくれるんだったらやっても・・・」なんて囁きはじめてるという噂なども会場で耳にしました。

さて、前回の最後に触れました「タッチパネル」と「透明導電膜の形成技術」については、セミコンショーでクローズアップはされていませんでしたが、PDAを始めとするモバイル機器ビジネスの成長と拡大は勢いを増していますね。特にここのところの小型ノートPC(UMPCやMobilePC、あるいはBook PCなどという 7~10型程度のFPD一体型パソコン)やApple社のiPod Touchなどが注目を集めています。これらの製品に組み込まれる電子デバイスや基板(FPCなど)は二次元から三次元実装の世界を突っ走っていますので、StaticIC→CSP→SiP→WLP→SIC→3D-SICなんて世界へ!

これはもう半導体製造プロセスでいう「前工程」や「後工程」ではその境目が無くなってしまったようなものになっていますが、皆さんはご存知でしょうか?まあ悪いことは言いませんから、よくお勉強をしておいたほうが良さそうですよ!今勉強しておかないと、一年後ではついて行けなくなっている可能性が大です!!

このことと、タッチパネルや透明導電膜は大いに関係してきていまして、お互いに技術が進歩しないと経済的価値が生まれないということになります。さらにディスプレイの要素技術に関係しながら、現在主流になっているLCDから有機ELディスプレイ(OELD : Organic Electro-Luminescence Display)が使われるようになってきていることで判るように、確実に半導体デバイスが固体型(Solid State)から軟体(?)型(Flexible→Organic)に移行しはじめていまして、有機半導体という世界に進んでいくでしょう。

このように景気が減速してもハイテク技術はどんどん進歩拡大をしていますので、心配しなくても済みそうですよ! それより意気消沈したりあきらめていると、先を向いて進んでいる世界から取り残されることになり、気がついたら一人だけおいてけぼりになっているなんてことになりますから。実は、これが世界の戦略になっている可能性も否定出来ないでしょう。

それではまたね!

( Staff S.I )